July 13, 2016

資源管理を一元化するERP

企業の業務にコンピュータシステムが導入されて以降、業務効率は大きく向上しました。現在では大半の企業で製造販売人事会計といった部門ごとに業務システムが運用されています。すべてを手書きの書類だけで処理していた時代と比べ、情報管理も格段にしやすくなったと言えます。一方ではそうした業務システムが部門ごとに独立していることで、部門横断的な情報を得るには不便な点も否定できません。同じ情報を異なる部門で別々に入力したりする場合もあるだけに、業務の効率化という観点ではまだまだ改善の余地があるのです。

そうした問題点を解決するため、欧米では1990年代からERPとも呼ばれる企業資源管理の手法が主流となりました。これは部門ごとの業務システムを統合し、企業の保有する人的、物的資源に関する情報を一元管理していく手法です。日本では独自の商習慣に適合しない面もあったことから、欧米型の企業資源管理システムがなかなか普及しませんでした。近年になって国内ベンダーからも欧米製に劣らない優れたERPパッケージが開発され、大企業を中心に普及が進んでいます。中でも注目されるのは、導入コストの低いSaaS型です。

従来のERPパッケージは初期費用の高額な点が、中小企業にとって導入時のネックとなっていました。SaaS型は統合資源管理ソフトウェアをインターネット経由で提供することにより、導入コストを大幅に軽減させています。プログラムはインターネット上のサーバーで動作するため、ユーザー側は月額料金を払うだけでサービスを利用できるのです。中小企業にも導入しやすくなったERPは、業界に特化した製品がITベンダーによって開発されています。建設業向けや流通業向け金融業向けなど、各企業の特殊事情にもフィットするのです。

導入コストの問題や自社の事情に適合しないといった欠点が改善された今、中小企業でのERP導入が進んでいます。SaaS型のシステムは自社でのメンテナンスが不要なため、法改正への対応という点でも有利です。セキュリティ技術も大きく向上しており、自社サーバーでの大規模システム運用よりも情報漏洩リスクが低いとさえ言えます。中小企業でも軽い負担で導入できるSaaS型の企業資源管理システムは、今後さらに人気が高まるものと予想されます。業務システムを一元管理できれば、経営分析といった面でも強力な武器となるのです。